「な、なんだお前は!」
「俺さっきオジサンが自分の髪の毛入れんの見てたからね」
「っ、」
「あと、女の子怖がらすようなこともしちゃダメですよ」
そう言って、彼はグッと掴んでいた手に力を入れたのか「うぅ!」と男性が痛みを堪えるような声を上げた。
彼は呆れたように笑って、男性を見つめていた。
その瞳に温度はなく思わず背筋が凍りそうな、ゾクッとしてしまうほど冷たいものだった。
それからしばらくして店長が騒ぎを聞きつけたのかこちらにきて男性の対応をしてくれ、結果的に男性は自分でクレームの原因を作ったことを白状し、その場は何とかなった。



