「よぉ、約束通り連れてきたのか」
わたしの前に現れたのは声からして電話の主だろう。
彼は短髪で耳と唇にピアスがついている派手な男だった。
「芙実は?!」
「ああ、あの女ならここだ」
そう言って男が後ろから縛られ、意識が朦朧としている芙実を連れてきた。
「芙実!ごめんね……っ」
彼女を抱きしめると、「わたしの方こそごめんね」と小さな声が聞こえてきた。
乱暴はされていないのか、見ている限りでは怪我などはなさそうだ。
「立てる?帰ろう」
柊磨には本当に申し訳ないけど、帰ろう。
どうせもう会うこともないんだ。
嫌われても文句は言えないし。



