騙してごめんね。
怒っていいよ。
どうか、わたしを嫌いになって。
「珠莉、待たせたな」
しばらくして柊磨がバイクに乗って現れた。
ヘルメットを外して、微笑んでくれたその笑顔にキュンと胸が甘く高鳴った。
「急にごめんね。柊磨と行きたい場所があって」
「行きたい場所?」
「うん、そこで伝えたいことがある」
すらすらと出てくる嘘に自分でも驚いてしまう。
「了解、どこに行けばいい?」
すんなりと信じてくれる彼にチクリと胸が小さな針で突かれたように痛む。
廃工場だということは伝えられないから住所だけナビに打ち込んだスマホを彼に渡し、それを専用に装置にセットしてわたしたちを乗せたバイクは動き出した。



