嘘だった。演技をした。
警察にもお世話になりたくないし、先生にもできれば怒られたくないと思っているし、人のことを殺すなんてことは到底できない。
『はあ〜〜〜、怖かったね』
彼女の姿がなくなったのを確認してから彼女の机の前で頭を抱えて、はあと深い息を吐いた。
そんなわたしを驚いた表情で見ている彼女とクラスメイト。
あ、みんなは本気でわたしが人を殺せるサイコパスだと思っているのかも。
『う、嘘だよ!人なんて殺せないからね!』
昔から嘘をつくのは上手かったからこんなところで役に立つなんて思っていなかった。
『……ありがとうっ、助けて、く、れて……っ。ともだちに、なりたい……』
わんわん、と泣きじゃくる彼女の頭をそっと撫でているとクラスメイトも安心したようにこちらに近づいてきて話しかけてきた。
そして、わたしの嘘が効いたのか彼女への嫌がらせは無くなった。
◆
「わたしこそ芙実が友達になってくれてよかった」
あの日のように泣いている芙実の頭を撫でた。
芙実の中でもわたしが彼女の大切になれているのなら、すごく嬉しいよ。
それから彼女とは駅で解散をして、駅のトイレでウィッグとカラコンを外してわたしは施設へと続く道を歩いていた。
すると、ブレザーのポケットに入れていたスマホがブーブーと震えて着信を知らせた。



