「俺、ここで天使を見つけたんだ」
「は?」
「お前だよ。珠莉」
真っ直ぐ見つめるその瞳は嘘をついているようには見えない。
その瞳は熱を持っていてメラメラと燃えているようだった。
ドクンと甘く高鳴りだす鼓動。
触れられている手がジンジンと熱を帯びて熱くなっていく。
「わたしは天使じゃないし、意味がわからない」
「お前には言ってなかったけど、俺は数年前にここで金髪で瞳の青い少女をみた」
「え……」
この施設で、いやこの近くでそんな変わった容姿をしているのはわたししかいない。
彼がその時、偽物のわたしではなく本当のわたしを見ていたのなら合コンの日にすべてが偽りだと知っていたことにも納得がいく。
「俺はその時、天使みたいだと思った」
「なっ、」
わたしの手を握っていた彼の手が離れて、今度はその手がわたしの金色の髪を少し掬い上げた。
その表情や仕草がなんだかとても色っぽくて、鼓動がより一層うるさくなっていく。
「好きだ、珠莉」
低い甘い声が、嘘偽りのなく、迷いのない真っ直ぐな言葉が、わたしを見つめているどこまでも深い緋色の瞳が、ふわりと風に吹かれて揺れる深いワインレッドの髪が、その全てがわたしを惑わす材料となり、ドキドキが最高潮だ。



