柊磨が帰ってきたのは2時間後くらいで時刻は18時を過ぎていた。
ちゃんと無事で帰ってきたのを見届けたわたしは電車で帰ろうとしたけど、柊磨が送っていくとうるさいので送ってもらうことにした。
いつものようにバイクに乗って、帰る場所へと向かう。
今日もきっと施設の近くの公園で降ろしてくれるんだろう。
けたたましいエンジン音も頻繁に聞いていると慣れてくるものだ。
風がわたしの頬を撫で、風で服がなびく感触、高速で背後に流れていく見慣れた街並み。
ぼんやりとそれを眺め、彼にしがみついている腕にぎゅっと力を入れた。
ああ、夕焼けだ。
綺麗だなあ……。
最近は夕焼けを眺めることなんてなかったから、オレンジ色に染まる街と大きく優しい光を放つまんまるな夕日をみてこんなに綺麗だったっけと思ってしまう。
そんなことを考えていたらバイクが停まって着いたのは、私が良く知っている場所……児童養護施設の前だった。
「え?」
どうしてここに……?
彼には何も話していないはずなのに。
ヘルメットを脱いで、彼の方を見ると彼も同じくヘルメットを脱いでいて、夕日のせいでより赤みを増した目がわたしをじっと見ていた。
そしてバイクから降りるとわたしの前で止まり、わたしの手を取るとそっと握った。



