「珠莉ちゃんって意外と初心だね」
くすくす、と優大の笑い声が聞こえる。
「し、仕方ないじゃん。慣れてないんだから」
「まあ、そういうところもあいつは可愛いと思ってんじゃない」
今まで会話に入ってこなかった司も視線はスマホに落としたままで言った。
さっきからわたしは特殊な拷問を受けているかのような気持ちになる。
別に本人から特別な言葉を言われたわけじゃないのに顔が熱い。
みんなの反応が柊磨がいかにわたしを気に入っているのかを痛いくらいにわからせてくるからだ。
「俺らはさ、あいつに幸せになってほしいんだ」
優大のその言葉に思わず顔をあげた。
彼の声はあまりにも優しさに満ちていて、心の底からそう願っているとわかったから。
「そうそう。俺らあいつに返して返しきれない恩があるからなー」
「大志が一番、恩があるね」
「うるせえ、お前もだろ」
大志が今度は司とじゃれ合っている。
「あいつには世話になったんだ。俺らはあいつに救ってもらった。だからみんなであいつを救いたくて暴走族なんかを作ったんだ」
柊磨を救うために暴走族を作った……?
彼はわたしの知らない何かを抱えて生きているのだろうか。
何も言葉を返せないわたしを見ながら優大は言葉を続けた。



