友達でもなければ、もちろん恋人でもないし、身体の関係でもない。
強いて言えば、知人くらいの名前はつけてもいいのかもしれない。
「それはまだ決まってない」
「「「……は?」」」
彼らが呆れたように柊磨を見ている。
わたしだって、声には出なかったけど頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだった。
まだ決まっていないってなんなの?
まるでこれから関係の名前がつけられるみたいな言い方だ。
「決まってねえってなんだよ、それ」
「よくわかんない女なんて連れてくんなよ」
大志と司が変わらず柊磨を見ながら、ハアとため息を吐いた。
連れてきてもらっといてなんだが、それはごもっともだとわたしも思う。
彼らにとって、ここはきっと大事な居場所でそこをどこの骨かもわからない女が急に来たら怪訝な態度をとるのも当たり前だろうし。
「珠莉はよくわかんねえ女じゃない」
「合コンの時に何も自分のこと話してなかっただろ。他の奴は聞いてもないのにペラペラ話してたけど」
司の鋭い言葉に何も言葉が出ない。
いや、さっきからまともに言葉になんてできてないんだけど。
「珠莉のことが他のやつに知られなくてよかったって俺は思ったけど。こんなに可愛いんだし」
そう言うと、グイッと腕を引っ張られて柊磨の前に立たされてまたしてもポンと頭の上に手を置かれた。



