「髪色、そんなんだったっけ」
司の言葉に自分が今偽物の髪の毛だったということを思い出した。
柊磨に会う前にトイレで外せばよかった。
柊磨はわたしの髪色を気に入ってくれてるみたいだったし。
なんて、意味無いかな。
「あ、これは……」
「前のが本物」
ぽん、とわたしの頭に手を置いて言う柊磨。
まあ、こんなカラフルな髪色をしている人たちの前では隠さなくてもいっか。
「本物?つーことはそれはカツラとかそんなん?なんでそんなん被ってんだ?」
「まあ、コイツにも色々あるんだよ」
なぜかわたしの代わりにみんなからの質問に答えてくれる柊磨。
「や、やっぱりわたし帰るよ」
この声が消えてしまってはいけないと存在をアピールするかのように柊磨の服の袖を少し引っ張ってしまった。



