White Star Love

こうして徐々にではあるが、
仕事にも慣れ始め、ちょうど一ヶ月が経った。

いつものようにバイトへ行くと関がいた。

「小高さん、今日は僕のチームに入ってケーキのスポンジを焼こう。」

深雪はやっと関と一緒に仕事が出来ると思うと嬉しかった。

その日は休憩中も関と話したりして、一日があっという間だった。

「小高さんって今、幾つだっけ?」

「20歳です。早生まれなんで…」

「まだハタチかぁ!若いなぁ!」

「関さんってお幾つなんですか?」

「俺?今年で32。」

あっさりと歳を答えた関にドキッとした。

歳を隠す訳でも、自分が幾つに見られているかを気にすることもない。

そんな関はきっと今が楽しいのだろう。

生き生きとした関の瞳に吸い込まれそうな感覚を得た。

「見えませんね。20代に見えますよ。」

「お世辞でも嬉しいよ。
ありがとう。」