次の日の朝、
二人で登校していると、
亜由美の顔は晴れ晴れとしていた。

先月、坂野琢磨に会ってからというもの、
二人は連絡をとっているらしい。
昔と変わらない坂野に、
亜由美は自分がどんどん夢中に
なっていくのを感じ、
今は一つの決意をしたという。

「琢磨とよりを戻したいの。
ううん、もう一度一から付き合いたい。
今度は私から気持ちを伝えようと思う。」

亜由美の決意は固かった。
三年越しの片思いの結末が
ハッピーエンドになることを
私は応援するとしか、言えなかった。

「ありがとう。
みゆに聞いてもらえてよかった。
あたし、頑張るね。」

亜由美が他の男性に興味がないふりをしてたこと、
告白されても断っていたこと、
やっと理解できた。

あたしもこんな風に人を
愛してみたい。
心にずしりと重い恋をしてみたい。
亜由美の笑顔に少し嫉妬していた。