高校三年の夏、
亜由美は進路を決めるのに
悩んでいた。

悩みの種は
琢磨との将来だった。
出来ればそばにいたい。
これからも近くにいて
二人で一緒にいたいと…。

しかし、その気持ちは
琢磨の言葉で握りつぶされて
しまった。

「亜由美、オレ進路決めたわ。
美容師の学校行って、美容師になる。
東京にある学校だから
お前とは遠距離になるんだ。
でも、オレには遠距離できる
自信ないんだよね。
だからさ、別れよ?
お互い、将来を自分の為に
生きようぜ。」

こんな事を軽く言う人じゃ
ないと思っていた。

信じていた人に裏切られると
いうことは
これほど辛いものなのか…

亜由美はその小さな胸が
ボロボロになってしまった
ことを誰にも話せなかった。

そう、今日まで…