誰よりも会いたくて、話がしたくて、顔を見られると嬉しくて。
一日のなかで彼と過ごす時間こそが、わたしの楽しみになっていた。
会えない日は泣くほど苦しくて、名前を呼ばれるたび胸が高鳴って、呼吸の仕方を忘れてしまう。朝起きたらいちばんに会いたくて、彼の顔を見てから眠りにつきたい。
そんなふうに、毎日毎日、彼のことを考えている。
信じていいよ、と。
そう言われたとき、なんの迷いもなくうなずける自分がいた。
信頼と愛は、無条件に与えることができるのだと。そして自分も与えられたいと、人生ではじめて思った。
この感情は、きっと恋。
経験したことがなくても、わたしはこの気持ちを知っている。
ずっとずっと昔から知っていたような気さえしていた。
「来いよ」
スッと伸ばされた手がわたしを呼んでいる。



