また以前と同じ公園で時間を潰し、空が暗を混ぜた青色になったころ、家に戻る。

 自室に入ろうとしたところでわたしに気づいたお母さんが、抑揚のない声でぼそりと告げた。


「とりあえず、週三回に戻しておいたから。また気が向いたら、声かけて」

「……うん」


 わかってもらえた、というよりは、どこか諦めたような口調だった。

 ピンと張っていた期待という名の糸が切れ、わたしと両親を繋いでいたものは、これでなにひとつなくなってしまった。


(だけど……後悔は、してない)


 だってこれ以上自分を追い込んだら、もうわたしは確実にダメになっていた。



『頑張るのをやめるんじゃなくて、頑張りすぎるのをやめるだけ。頑張りすぎて自分をぶっ壊してたら元も子もないだろ』



 先輩の言葉が、今のわたしを救ってくれた。

 未来のわたしを生かしてくれた。



 先輩の存在が、またわたしを助けてくれた。



 明日こそは、会えるんじゃないか。

 なぜだか分からないけれど、そんな幸せな予感がしていた。