四月のきみが笑うから。


 お母さんがわたしのためを思って、そう言ってくれているのは分かっている。

 何かやりたいことが見つかった時、その夢が少しでも早く叶うように。


 だけど、人生を構成するものが勉強だけじゃないことを、わたしは最近考えるようになった。



 たとえば、部活に打ち込んで何かの賞をとったり、綺麗なものを探しに出かけたり、大切な人と心を通わせたり。

 趣味がいつの日か夢になって、それが叶って職業となるかもしれない。


 今しかできないことも山ほどあって、だからこそ自分の気持ちに素直でいたい。