四月のきみが笑うから。

 入学式の日、ぽつんと一人で席にいたわたしに声をかけてきてくれたのが緋夏だった。

 派手な子だな、というのが第一印象だったように思う。

 ハーフツインと呼ばれる髪型で、目元にはキラキラとラメが光っていて。

 田舎の高校生にしては少々浮くのではないかと思うような、そんな身なりをしていた。


 名前を教えあって、アドレスを交換して、よく話すようになった。

 休み時間、移動教室、その他諸々において、緋夏はわたしを誘うようになった。それ自体は問題なかった。緋夏がわたしを求めてくれるのなら、わたしも一緒にいたかった。


 けれど、わたしは緋夏の唯一ではない。性格も飛び抜けて明るく、いつも笑顔を絶やさない緋夏の周りには自然と人が集まっていた。そうして形成されたグループは、誰もが緋夏寄りの系統の子たちばかりで。