電車に飛び乗り、吊り革に捕まる。窓からのぞく空は晴天。 どこまでも晴れ晴れとした、美しい眺めだった。 (先輩はきっとあの場所にいる) 確証なんてないけれど、確信していた。 わたしが目指す先に、きっと先輩はいる。 降車し、電車を見送ることすらしないまま夢中で駆けだす。 徐々に息が上がるけれど、止まることなく足を動かした。 夢で何度も見た青い世界へと、必死に走る。 この先に、彼ら(・・)の思い出の場所に、先輩はいる。 海と同じほど真っ青な空が、ただまっすぐな想いを包み込むように広がっていた。