◯下駄箱(朝)

靴箱から校内用のスリッパを出して履こうとするうららの隣に現れた凪。友達になろう宣言をした次の日でもあり、少し緊張するうらら。


うらら「おはよう、凪くん」
凪「…はよ」
うらら「今日は女の子たち来ないね」
凪「いつもより早く来たから、だいじょ、」

女子の群れ「「凪くぅぅん!!」」

雪崩混むようにやってきた女子にギョッとしてしまう。

はぁ、と大きく溜息をつく凪。
凪の人気ぶりに感心するうらら。

うららの友達・マリがやってきて、二人でその場をあとにしようとするが凪のことが心配になり、凪の制服の裾を引っ張る。


うらら「は、早く行かないとチャイム鳴る、かも!」
マリ「え?まだ大丈夫じゃない?」
うらら「凪くん、行こう!」
マリ「二人ってそんな仲良かったっけ?」
うらら「クラスメイトなんだから普通だよ。ね?」
凪「まぁ」

3人で教室に向かう。

女子A「なにあれ」
女子B「うざいんですけど」


◯場面展開(数学、国語、英語の授業風景)

凪は全ての授業に対し、真摯に取り組み、周りが悩む中、出された問題をすんなりとこなす。

凪の頭の良さに関心するうらら。

◯昼休み(教室)

マリ「部活のミーティングがあるから部室で食べるね」
うらら「わかった。いってらっしゃい!」

いつも二人で食べているお弁当だが、マリがいないので一人で食べることに。

隣にいる凪は財布を持って教室を出る。

(そういえば昼休みになると凪くんは教室にいない)
(どこでお昼食べてるんだろう)
(お昼、誘ってみようかな)

うららは開けかけたお弁当の蓋を戻し、凪を追う。


◯屋上(昼休み)

屋上の扉を慣れた手つきで開ける凪。
扉を少し開け、外の様子を伺ううらら。

凪「なにしてんの」
うらら「うわっ!!」

後をつけていたのがバレる。驚きで心臓を押さえるうらら。誤魔化すつもりはないうららはお弁当を一緒に食べようと誘う。びっくりした表情をした凪だが、了承し二人はベンチに横並びに座る。距離は遠い。

雲一つない青空が広がっている。

お弁当を開けて、ふと思う。

うらら「凪くん、購買部寄ってないよね」
凪「逆になんで俺が寄ると思ったの」
うらら「財布持って行ってたし。違った?」
凪「観察しすぎじゃない?」

凪は、ふ、と鼻で笑う。
たまに見せる凪の笑顔にいちいちときめいてしまう。

うらら「私のでよかったら一緒に食べよう」
凪「いや、いい。お前、あー…戸上が食べる分、減るだろ」
うらら「ふたりで食べる方がきっと美味しいよ!」

お弁当の中身はからあげ、たまごやき、ポテトサラダ、ウインナー、白米にふりかけがかかっている。

食べたいものを選んでもらう。
押しに負けた凪は申し訳なさそうにたまごやきを指差す。
たまごやきを箸で挟み、凪の口元に持っていったタイミングで数秒間見つめ合う。恥ずかしくなり、咄嗟に自分で食べてしまううらら。案の定、顔を赤くした凪は「少し離れてほしい」と、うららに言う。

うらら「ご、ごめん!馴れ馴れしくしすぎた!」
凪「…いや。俺が、俺の体質というか、」
うらら「体質?」
凪「…女に対しての免疫がなさすぎて、近づかれたり、触れられたりすると反応に困るっつーか、どうしたらいいかわかんなくなる」
うらら「顔が赤くなるのは?」
凪「普通に、はずい」
うらら「(か、かか、可愛すぎる!!!)」

かっこよくて、勉強ができて、喧嘩も強い凪くんの意外すぎる一面にときめきが隠さないうらら。

お弁当はふたり美味しくいただきました。