のーどくたーのーらいふ

「いらないの、」














それから先生は事あるごとに














部屋に押しかけてきて、














食料が大量に入った袋を開けて














うざいくらいこう聞いてきた














‘ゼリーはどうかな?’














‘アイスはどうかな?’














‘メロンパン食べない?’














‘りんご剥こうか’














‘フライドポテトは?’














そんなたくさんの食べ物を提示してきた














けど、私は全部に首を横に振った














そんなある日














京「ねぇ、井出さん














井出さんにおかゆ作ってきたんだけど














食べられないかな?」














え、わざわざ作ったの














こんな人初めてだった














私のためになにかしてくれる人














私が突っぱねてるのにかまってくる人














私なんかのことを見捨てないでいてくれる人














この人は今まで傷つけてきた人とは














なにか違う人だ。














「はは、なにわざわざ作ったの?」














少しおかしくてつい笑ってしまった














京「井出さんが笑う所初めてみました、」














「バカにしてんの」














京「いやいや、バカになんてしてません」














「食べようかな、」














京「え」














「おかゆ、作ってくれたんでしょ」














京「ふふ、どーぞ」














「いただきます、」














そういってスプーンを持ち上げようとしたけど














指に力が入らなくて、














そんな光景を見ていた先生が














京「...体に力入らないんですか?」