のーどくたーのーらいふ

ぱぱっと、手の甲に点滴をさして














抜けないように固定した














「痛いの少しずつなくなってくるからね」














心臓が痛いのは不安が原因だと思う














抗不安薬を使えば














痛みもなくなってくると思う














京「はる、大丈夫」














今回落ちつくまで1時間以上かかった














「やっと安定してきたね、」














京「はる、わかる？」














春「けい、」














京「うん、意識は大丈夫そうだ」














春「もうやだ、」














京「うん」














春「もう俺頑張れない、」














京「うん」














春「俺、もうつかれた」














京「うん、そうだな。














疲れちゃったな」














春「俺もう死にたい、」














京「そっか、そうだな














でもね、春。














そのお願い、俺は聞けない」














「僕もそのお願いは聞いてあげられない」














春「死なせて、」














その言葉を聞いて、














僕の胸はキリキリと痛んだ














話を聞いて、薬を処方することしか














できない自分の無力さに














いつも心が折れそうになる














京「春が辛いのは分かってる














分かってるけど、そのお願いは














ごめんだけど、聞いてあげられない」














春「これなかったら、死ねる？」














これとは、点滴のことだろう














「...死ねないよ、春














不安になって、また心臓痛くなる」














春「もうそれでもいい、」