凛「...」














「お願いだから独りになろうとするな」














凛「またこういうことしちゃうかも














しれないんだよ、凛は」














だから俺から離れようとするのか














「そしたら、また助けに行く」














凛「むりだよ」














「絶対に助ける」














凛を失いたくない














樹「凛ちゃん」














ここで今まで会話に入ってこなかった














樹が凛に話しかける














樹「僕たち、すごく心配したんだよ」














凛「なんで、」














凛の言いたいことが分かってしまう














なんで‘こんな私’をって思ってるな














樹「大切なんだ、凛ちゃんのことが」














凛「なんで、」














樹「京にとって、凛ちゃんは彼女














僕にとって、凛ちゃんは大事な患者さん














春にとって、凛ちゃんは妹みたいな存在














みんなそれぞれ理由は違うけど














凛ちゃんのこと大切に思ってるんだよ」














凛「...」














樹「みんな、いなくなってほしくないの














凛ちゃんが生きてくれたら、それでいい」














冷たく聞こえるけど、その通りだ














凛が生きて、側にいてくれるだけでいい














樹「大切な人に生きていてほしいって














思うのはそんなに不思議なことかな」














凛「...不思議じゃない」














樹「うん」














凛「ごめんなさい、」














樹「謝る必要なんてないんだ














死にたいって思って行動しちゃうほど














すごく凛ちゃんは辛いんだから













だけど、我慢しすぎて爆発する前に














言ってくれたら嬉しいな」














凛「頑張る」














樹「うん、それで充分だ」














ガチャ














春「飲み物いれてきたよ、」














凛「春くん、」














春「凛、目覚めたの!?」














凛「うん」














春は凛のことを抱きしめている














春「凛〜、よかった」














凛「ごめんね、」














春「謝らないで大丈夫だよ、」














凛「あのね、春くん」














春「ん、どうした?」














凛「今度、水族館行きたい」














春「うん、行こうな」














貴方たち、ほんとに水族館好きね














凛を失うんじゃないかって想いが














たくさん駆け巡って焦ったけど














よかった、生きててくれて














凛の声、ちゃんと聞けてよかった














凛の笑顔、見れてよかった














やっぱり隣に凛がいなきゃためだ














そう改めて思わされた日だった