ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

一代の雄・相馬豹一、最後のダブルミーニング/その3
剣崎


会長はまず、今さっき3人に告げたと同じであろう中身を、あらまし話してくれた

要は自分の亡きあとは、残ったもので決めればいいと…

他、進行中の事案については事細かく指示と伝言があり、俺は耳をそばだて、メモはいつも以上に詳細を心がけた

およそ約20分ほどして、”それら”は終わった

さあ、この辺りに来るだろう

「…じゃあ、俺の可愛い血縁の娘たち二人について話す」

案の定だった!


...


会長は再度俺の方に向きなおると、俺の目に視線を止め、しばし間をおいていた

ここまでは割と事務的な話し方だったが、おそらくはこの先、ダブルミーニングが含まれるんだろう

俺が誤った受け取り方をすれば、会長の意に反することになる

心して聞かねばならない

俺は背筋を伸ばし、心の準備ができたサインを会長に送った


...


麻衣と競子は、高校2年になってまだ数か月の未成年の少女だ

その二人を会長が他界された後、一体どのように対処したらよいのか…

これは概ねながら、これまでにも聞かされてきたことだ

それは、自分が死んだら二人を”元”に戻せと…

要はそこに行きつく

しかも時期的な目安は去年の夏の時点で、およそ1年後と二人には含みを持たせてある

ならば予定通りに、それを二人に実行させればいいだけのことではある

だが、実際の”コト”はそう単純ではない

...


そうさ、例の怪しいクスリだ…

今のところ、二人は禁断症状までにいたっていないようだが、然るべき事態と至れば、違法薬物使用で警察にとっ捕まる

未成年者が薬物で逮捕などとマスコミに漏れれば、あっという間に世間にも知れ渡る

当然、捜査当局はブツの出所を探るさ

結論から言えば、”本当のこと”が突きとめられた場合、捜査の手は相和会に及ぶ

それどころか、県警とは深いつながりが長く続いていた相馬会長は連中の保身で過去ごと葬られ、死んだ後で地に落とされることになるだろう

そのことで、実際にどのような状況を招くのか…、それは明らかだ

今の立場の俺は、それを想像するだけで、恐ろしくて背筋が凍るよ

...


県警や権力サイドに相和会が見捨てられれば、広域組織にとってはまさしく千載一遇の好機到来だ

相和会など傘下に取込むどころか潰すことだって容易くできる

場合によっては関東と関西で仲良く分割することも…

そうなれば、2代目争いどころではない

そうなんだよ、はは…

あのションベン娘二人は、相馬会長の死後、我々相和会にとってはニトログリセリンと化すんだ

そしてその”取扱い”ほぼすべてに渡って、この俺が当たることになる

今からそのことは胸に刻んでおかないと…