猛る狂気/その9
アキラ
「まずさ…、今日、麻衣には今後一切、オレ達に関わらないことを誓わせてきたよ。もうこれっきりだと。これから麻衣がたとえ、どんな目に遭おうが、オレたち二人の知ったことじゃないって突きつけた。警察から帰って、あの女とはっきりケリつけた後で、ケイコちゃんと会いたかったんだ」
「アキラ…」
「それで、病室でヤツのお母さんと会ってね。勢いで、もうお母さんを泣かせるようなことはやめろって。これも、含みは持たせていたけど、わかったというニュアンスで答えてた」
「ああ…、そんなアキラのこと、私、植木ばさみで…」
またケイコちゃんが取り乱しそうだ
オレは彼女の手を握って言った
その手、既にちょっとだけど震えてたよ
「ケイコちゃん、もう昼間のことは忘れるんだ。ねっ!」
彼女は「うん」と言って、ゆっくりとうなずいた
...
「よし、今日の件はこれでおしまい‼…とにかく、あんなことがあって、お互い話すことは山ほどだけど、最初に言うよ!大阪のオーディション行けなかったこと、それに麻衣と剣崎さんの条件、勝手に飲んじゃったこと、許してくれるかい?」
「許してもらわなきゃいけないのは私だよ!私と出会ってなきゃ、アキラはプロデビューして、今頃はあの人と…」
ここでまた彼女は涙を流した
当分の間はこうなるよな、どうしても…
なら…、じっくり行こう
変に急がないことだ
...
「ケイコちゃん…、オレはね、あの千葉の海で、とびっきりの”陽射し”と出会ったんだ。そんで…、千葉から戻って、その”陽射し”とは再び巡り合った。そのとびっきりの”陽射し”はすごいんだ。夜でも建物の中でも、オレを照らしてくれてる。トイレでもね…」
ここまで話すと、ケイコちゃんは俺の肩に頭をもたげてきた
手は依然、握りあったままだ
最も震えは止まっていたが…
・・・
「…とびっきりの陽射しをもらったオレは、勇気が湧いてきた。おかげで、オレは一歩を踏み出せた。その、”オレだけ”の陽射しちゃんは、今、厚い雨雲に覆われてる…。いっぺんには無理そうだけど、オレが戻ってきたからには、そのぶ厚い雨雲を取り去るぞ。もし、陽射しちゃんも手伝ってくれるんなら、早く”元通り”になると思う」
「ふふっ…」
ここで陽射しちゃんのささやかなこぼれ笑いの声が、高台の夜景にこだました
「おっ…?さっそく少し陽が覗いたかな。陽射しちゃんは頑張る気持ちらしいや」
「アハハハ…」
今度は本格的な笑い声が出たぞ
...
この後、二人は夜7時近くまで展望公園で一緒にいた
オレ達二人が話さなければならないことは、まだまだたくさんある
続きは明日、お昼をどこかで食べながらでということで、今日は家の近くまで送った
「…アキラ、明日待ってる。おやすみ。今日はありがとう!…ホント、ありがとう…」
「おやすみ。ゆっくり休んで。じゃあ、明日…」
長い一日だった
ケイコちゃんとオレにとっては、忘れらない日になるだろう…
そう願わずにはいられないよ
俺たちの…、カコクな長い夏の、懐かしき足跡として…
ーヒートフルーツ全編版/第1部、完ー
注釈:ここまでが、『本編』基軸ストーリーの第1部に該当する物語となります。
これより第2部では、大幅加筆後のストーリーに移行しますが、本物語一年前の出来事を前日譚とした続編的な展開になり、そこで『麻衣ロード、そのイカレた軌跡』で登場した懐かしい面々が一気に再登場します!!
アキラ
「まずさ…、今日、麻衣には今後一切、オレ達に関わらないことを誓わせてきたよ。もうこれっきりだと。これから麻衣がたとえ、どんな目に遭おうが、オレたち二人の知ったことじゃないって突きつけた。警察から帰って、あの女とはっきりケリつけた後で、ケイコちゃんと会いたかったんだ」
「アキラ…」
「それで、病室でヤツのお母さんと会ってね。勢いで、もうお母さんを泣かせるようなことはやめろって。これも、含みは持たせていたけど、わかったというニュアンスで答えてた」
「ああ…、そんなアキラのこと、私、植木ばさみで…」
またケイコちゃんが取り乱しそうだ
オレは彼女の手を握って言った
その手、既にちょっとだけど震えてたよ
「ケイコちゃん、もう昼間のことは忘れるんだ。ねっ!」
彼女は「うん」と言って、ゆっくりとうなずいた
...
「よし、今日の件はこれでおしまい‼…とにかく、あんなことがあって、お互い話すことは山ほどだけど、最初に言うよ!大阪のオーディション行けなかったこと、それに麻衣と剣崎さんの条件、勝手に飲んじゃったこと、許してくれるかい?」
「許してもらわなきゃいけないのは私だよ!私と出会ってなきゃ、アキラはプロデビューして、今頃はあの人と…」
ここでまた彼女は涙を流した
当分の間はこうなるよな、どうしても…
なら…、じっくり行こう
変に急がないことだ
...
「ケイコちゃん…、オレはね、あの千葉の海で、とびっきりの”陽射し”と出会ったんだ。そんで…、千葉から戻って、その”陽射し”とは再び巡り合った。そのとびっきりの”陽射し”はすごいんだ。夜でも建物の中でも、オレを照らしてくれてる。トイレでもね…」
ここまで話すと、ケイコちゃんは俺の肩に頭をもたげてきた
手は依然、握りあったままだ
最も震えは止まっていたが…
・・・
「…とびっきりの陽射しをもらったオレは、勇気が湧いてきた。おかげで、オレは一歩を踏み出せた。その、”オレだけ”の陽射しちゃんは、今、厚い雨雲に覆われてる…。いっぺんには無理そうだけど、オレが戻ってきたからには、そのぶ厚い雨雲を取り去るぞ。もし、陽射しちゃんも手伝ってくれるんなら、早く”元通り”になると思う」
「ふふっ…」
ここで陽射しちゃんのささやかなこぼれ笑いの声が、高台の夜景にこだました
「おっ…?さっそく少し陽が覗いたかな。陽射しちゃんは頑張る気持ちらしいや」
「アハハハ…」
今度は本格的な笑い声が出たぞ
...
この後、二人は夜7時近くまで展望公園で一緒にいた
オレ達二人が話さなければならないことは、まだまだたくさんある
続きは明日、お昼をどこかで食べながらでということで、今日は家の近くまで送った
「…アキラ、明日待ってる。おやすみ。今日はありがとう!…ホント、ありがとう…」
「おやすみ。ゆっくり休んで。じゃあ、明日…」
長い一日だった
ケイコちゃんとオレにとっては、忘れらない日になるだろう…
そう願わずにはいられないよ
俺たちの…、カコクな長い夏の、懐かしき足跡として…
ーヒートフルーツ全編版/第1部、完ー
注釈:ここまでが、『本編』基軸ストーリーの第1部に該当する物語となります。
これより第2部では、大幅加筆後のストーリーに移行しますが、本物語一年前の出来事を前日譚とした続編的な展開になり、そこで『麻衣ロード、そのイカレた軌跡』で登場した懐かしい面々が一気に再登場します!!



