ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

猛る狂気/その7
アキラ



展望公園に着いた

二人はベンチに座って、オレがその記事を声に出して読んでね

ケイコちゃん、自慢の早い脚で追いかけ、当時高1だった紅丸有紀がひったくり犯をねじ伏せた…

その経緯を、彼女は身振り手振りを交えて説明してくれた

元気な口調と元の彼女らしい明るい表情が、なんだか、とても懐かしく感じたよ

だが、その表情はすぐに険しく神妙な顔つきに戻った

「この新聞記事、こうやってコピーで見たの、今日が初めてじゃないんだ。1年ちょっと前に私、入院してたんだけど、麻衣が見舞いに来てね。あいつから、コピーしたこの記事を見せられたんだよ」

「そう…」


...



たしかケイコちゃん、この記事が載った新聞を図書館で閲覧できると知った経緯を話すと長くなるって言ってたな

要は麻衣が絡んでくる話だったのか…

「その時、バイク乗った女に襲われて、ひじをケガしてたんだけど、それを指示したのは麻衣だったんだ。その時点では、麻衣とは一回、偶然会ったきりだったよ。立ち話で、お互い自己紹介しただけ。でも、私を狙ってケガさせた。本当は、足を骨折させる気だったらしいんだ」

「…」

「私、陸上部だから、それでだと思う。動機は私が気に入らなかったからだって。初対面の後、会って間もなくだよ」

なんてこった…

ケイコちゃんはあの女と偶然会っただけで、すぐにそんな目に遭わされてたってのか


...



「その後、付き合ってた彼氏との仲にも、麻衣は汚い手を突っ込んできてさ。私の中学時代の友達まで引っ張り込んで。私、岩本真樹子っていうタチの悪い先輩が集めた女16人に、夜の公園で取り囲まれて…。怖かった。でも、震えながらも、奴らがかかって来たら戦う気だった」

かける言葉、出てこないって…

千葉の海で出会って、マッドハウスの男子トイレ(個室)で再会して…

その時から妙に感じてたんだ

この子、ちょっとの部分でどうしようもなく、なんて”大人”なんだって

なんとなくアンニュイさも伝わってきたし…

あとはどうしようもなく無邪気で、奔放で、あけっぴろげな普通の女子高生なのに…