ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

猛る狂気/その5
アキラ



ケイコちゃんは正直に話してくれた

なら、それでいいじゃないか、もう…

オレは自分自身にそう言い聞かせている最中だった

”あの”麻衣と接触すれば、何が己に起っても不思議じゃない

あんなとんでもない女に、ケイコちゃんは真正面からぶつかっていたんだ

一歩も引かないで…

単純に考えて”無傷”でいられるはずがない

麻衣を知ってから短い間だが、オレはそれを骨身にしみるまで思い知らされたのだから

この子だって結局は、ヤツと出会わなければってことなんだよ


...



「アキラ…、私のこと、嫌んなっちゃった?」

ますますか細い声になってきちゃったよ、ケイコちゃん

何かしゃべらなきゃ

早く言葉をかけてやらなきゃ

そう思っているんだが、適当な言葉がなかなかなんだ…


...



「そうだよね、私汚いよね。どうしてこんななっちゃたんだろう…」

「ケイコちゃん、オレ、まず謝んなきゃ。本当はそれも麻衣から聞いていたんだ。誘ってきたのはケイコちゃんだって言ってた。オレ、半信半疑だったから、ああいう聞き方で確かめたんだ」

やっと言葉が出た

「できればヤツからだって言葉を望んでた。ごめんな、姑息な真似して。それなのに、君は正直に全部言ってくれた。これですっきりしたよ。いつも思ってたけど、君には頭が下がる。偉いよ。」

「アキラ…、じゃあいいの?忘れてくれるの?」

「ああ、もうそんなのいい。いいんだ…」

ここで体をケイコちゃんの方に向きなおり、彼女の顔にしっかりと目をやった

二人は真正面から、今度は目と目で語りあった

だが、それは数秒間に過ぎなかった…

目の前は真っ暗になって、ケイコちゃんの顔は消えたんだ

当たり前だ

いつの間にか、お互い目を閉じて唇を重ねていたのだから