ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

猛る狂気/その4
アキラ



「アキラ…、ここを出る前に一つだけ言っておかなきゃ。聞いてくれる?」

「ああ…」

さっき、この後の話とかは出てからって言ったからには、”特別”なことかな

彼女らしくない、そのか細い声が気になったが、これは今日会った時からずっとだったし…

顔色は”あの時”から比べるとだいぶ良くなってた

剣崎さんからも、”あの影響”は心配いらなそうだって聞いてるからな

体調の件とか、深刻な話ではないとは思うが…


...



「アキラとこうなった時、話そうと決めてたことがあるの」

オレはピンときた

「麻衣とは一度、寝たことがあるんだ。1年前の初めて”ケムリ”やった日。そのせいで気分がってこともあるけど、なんか、麻衣のこと、その時だけは愛してたとも思う。ちょうどアイツ、ケガしててさ。さんざん憎しみ合って、異常だよね、そんなの。でも、アキラと結ばれた時には正直に話そうと決めてたの。ゴメンね、驚いたよね?」

どうやら予想した通り、このことだったわ

「それ、知ってた。麻衣から聞いたんだ。だから、驚いていない。今日もそれ承知でだし。大丈夫だよ」

「やっぱり麻衣、アキラに話してたのか。とにかく、あの麻衣とレズってたんだ、一度だけとはいえ。不潔だよ、私。平気なの?許してくれるの…?」

「全然だよ、ケイコちゃん。全く気にしなくていい。第一、誘ってきたのは麻衣の方からだろ?」

オレはとっさに彼女を試していた

なんか、気持ちの中ではどこか不快感のようなもの、いや正確には理解不能のモヤモヤ感みたいなものが、そうさせたんだろう

たった今、口ではあんな物わかりのいいこと言ってるのに

ゴメン、ケイコちゃん

でも君の口から聞きたい、そのことを…

麻衣はオレに言ったんだ

君が誘ってきた、凄く燃えていた、二人ともイッたって


...



隣で横たわるケイコちゃんの話を、オレは仰向けの態勢のまま聞いていた

話している彼女の表情は見ていない

これから口にする彼女の言葉もそのまま聞くさ…

「…。違うよ、誘ったのは私だよ。いくらクスリが効いてても、はっきりしてたし、その時のことはちゃんと覚えてる。むしろ、麻衣の方がためらってた。私、とても興奮して…。最後までイッたよ。たぶん、麻衣も一緒に…」

「…」

彼女のその言葉を聞いた瞬間、さっきからずっと視界に入っていた白い天井の色が、急に灰色に染まったような感覚に落ちた

それって…

麻衣の言ってたこと、そんまんまだ…