ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

果実たちの選択/その7
アキラ



あの悪夢の日は、日付をまたいでおよそ10時間超、監禁状態だった

緊縛したオレをリンチし、薬物注射させ、オレの大切なギターを、床に敷いたコンクリートブロックに打ちつけて破壊した

その時オレは尿意を覚えて、トイレに行くことを許され、縄はほどかれていた

ギターの破壊行為に陶酔気味のイカレた女子高生を阻止しようと、麻衣に向かっていったオレは、屈強な相和会の連中に取り押さえられる

そして、赤子さんと一緒に選んで買った、思い入れのギターで麻衣に横っ面を一撃された

手足は自由になっていたが、麻衣の暴挙を拒むことさえ出来ないオレ

縄から解放されても、目の前の年下のガキはやりたい放題だ…

その無力さをオレに思い知らせるため、オレの体を縄から解放したんだろう

今思えば、麻衣は巧妙に演出していた…、そう思える

何とも恐ろしい女だ、麻衣というヤツは…


...



そんなイカレたハンパない女にもかかわらず、オレはヤツが警察に”捕まりに”行く日、アイツの部屋で麻衣と会った

そして今日もまた、性懲りもなくヤツに会いに行く

警察から戻って、まだケイコちゃんとも会っていないというのに…

ヤツの恐ろしさを垣間見たであろう、タクヤあたりからすれば、オレの方のイカレ具合もいかがなものかと、首を傾かれそうだ

ひょっとして、麻衣はオレをいじくって面白がっているだけなのか…

一度とはいえ、自分とレズった相手が親しくなった男に対して…

あの時、ヤツはオレを試すとか、なんだとかって言っていたけど

ただ…、俺なんかに対しても真正面というか、なんというか…

漠然となんだが、ヤツと会って、いつも感じるのはこのことだ


...



着いた…、相模浦中央病院に

その日は、エントランス近くの植栽エリアの手入れで、職人が何人も作業をしていた

そのあおりで、バイク置き場が狭くなって満車状態だ

オレは、自転車置き場脇のスペースにバイクを止めた

ちょっと目立つけど、まあいいか…

さて、行くぞ…

麻衣め、少しはやつれていやがれってんだ、あの野郎…