終われない夏の日/その25
剣崎
ようやく、秋の気配ってのも感じられるようになってきたな
それにしても、冷夏で始まった今年の夏は長かった
”俺たち”にとっては、特別なひと夏だった
間もなく、”ここ”からアキラが出てくる
ヤツも外の空気に接すれば、”世間”はもう秋だと実感するだろう
...
俺は、誰よりも先にヤツと接するため、ここまで”迎え”に来た
フン、”奴さんら”、どうやら”ご遠慮”らしいな
こっちの”手回し”を、あっちも、少しは本気で考えてくれているようだ(笑)
このまま火種の根っこが枯れちまえば、厄介な”爆弾”には火が届かずに済む
あとは、残り火が絶えるのを、慎重に見極める作業だ
気を抜くわけにはいかないからな…
なにしろ、お相手は、俗世間の損得勘定が通じない”不思議”な奴らだ
行動パターンが読めない人種なんだ…
普通の火の始末程度に考えたら、大火事を引き起こす
他の奴には任せられん
最後まで俺が直接だ、”あの”3人には
全く…、ここ数か月で10年分の神経、すり減らした気がするよ
...
組内じゃ、矢島体制が整い、浮かれ気分に浸ってる
俺のナーバスぶりを、せせら笑ってる連中がいるのも承知してる
だが、今までを見てみろ!侮れたもんかよ!
たかが女子高生だ、ミュージシャン崩れのやさ男だと軽くみるアホどもが…
まあいい、実際、仕上げ段階まで来たんだ
俺が、油断しなければいいんだ
世間の垢を食いむさぼる、うっとおしい”銀蠅”も、おとなしくさせたし
うん…?そろそ来る頃かな、アキラが…
...
午前11時15分ちょっと、奴が”正面”から出てきた
今日、俺はバイクで来た
警察の道路を挟んだ反対側から、小走りして、アキラを呼び止めた
「アキラ君、お疲れさん。迎えに来た」
「ああ、剣崎さん…」
こいつ、かなりやつれたな…
こんなんじゃ、ケイコに会わせたら、アイツ、また泣き崩れるだろうよ
自責の念でな…
「俺のバイクで送るよ。あっちだ」
アキラは無言で頷き、道路を渡って、バイクにまたがった
「昼メシをおごらせてくれ。少し栄養つけないと、ケイコに引き会わせられないからな…(苦笑)」
...
駅からちょっと離れた幹線道路沿いのファミレスで、俺たちは昼食とした
「さあ、うんと食え。”あそこ”のメシは寿命を縮める目的だろってくらいの、しょぼしょぼもんだ。俺も覚えがあるからな。腹壊すくらい、食った方がいい。若いんだから、ハハハ…」
アキラはメニューをじっくり見まわしたところで、”本日のランチ”をオーダーだ
こいつのそんなところ、すっかり分かってきただけに、俺も同じもんを注文した…(苦笑)
剣崎
ようやく、秋の気配ってのも感じられるようになってきたな
それにしても、冷夏で始まった今年の夏は長かった
”俺たち”にとっては、特別なひと夏だった
間もなく、”ここ”からアキラが出てくる
ヤツも外の空気に接すれば、”世間”はもう秋だと実感するだろう
...
俺は、誰よりも先にヤツと接するため、ここまで”迎え”に来た
フン、”奴さんら”、どうやら”ご遠慮”らしいな
こっちの”手回し”を、あっちも、少しは本気で考えてくれているようだ(笑)
このまま火種の根っこが枯れちまえば、厄介な”爆弾”には火が届かずに済む
あとは、残り火が絶えるのを、慎重に見極める作業だ
気を抜くわけにはいかないからな…
なにしろ、お相手は、俗世間の損得勘定が通じない”不思議”な奴らだ
行動パターンが読めない人種なんだ…
普通の火の始末程度に考えたら、大火事を引き起こす
他の奴には任せられん
最後まで俺が直接だ、”あの”3人には
全く…、ここ数か月で10年分の神経、すり減らした気がするよ
...
組内じゃ、矢島体制が整い、浮かれ気分に浸ってる
俺のナーバスぶりを、せせら笑ってる連中がいるのも承知してる
だが、今までを見てみろ!侮れたもんかよ!
たかが女子高生だ、ミュージシャン崩れのやさ男だと軽くみるアホどもが…
まあいい、実際、仕上げ段階まで来たんだ
俺が、油断しなければいいんだ
世間の垢を食いむさぼる、うっとおしい”銀蠅”も、おとなしくさせたし
うん…?そろそ来る頃かな、アキラが…
...
午前11時15分ちょっと、奴が”正面”から出てきた
今日、俺はバイクで来た
警察の道路を挟んだ反対側から、小走りして、アキラを呼び止めた
「アキラ君、お疲れさん。迎えに来た」
「ああ、剣崎さん…」
こいつ、かなりやつれたな…
こんなんじゃ、ケイコに会わせたら、アイツ、また泣き崩れるだろうよ
自責の念でな…
「俺のバイクで送るよ。あっちだ」
アキラは無言で頷き、道路を渡って、バイクにまたがった
「昼メシをおごらせてくれ。少し栄養つけないと、ケイコに引き会わせられないからな…(苦笑)」
...
駅からちょっと離れた幹線道路沿いのファミレスで、俺たちは昼食とした
「さあ、うんと食え。”あそこ”のメシは寿命を縮める目的だろってくらいの、しょぼしょぼもんだ。俺も覚えがあるからな。腹壊すくらい、食った方がいい。若いんだから、ハハハ…」
アキラはメニューをじっくり見まわしたところで、”本日のランチ”をオーダーだ
こいつのそんなところ、すっかり分かってきただけに、俺も同じもんを注文した…(苦笑)



