終われない夏の日/その24
追川
また点と点が結ばれた
これで、線が何本かできた
この線同士も、やがて結びつき、面となるはずだ
...
オレは、”あの子”がアパートから去ったのを確認した後、白の”軽”を降りた
さっきまであの子が立っていた部屋の表札は、”香月”とあった
あの子、横田競子と香月明は少なくとも接点があったのだ
香月の方は、一両日中には”出てくる”
そしてもう一人の女子高生、こっちの方は病院で取り調べが続いているようだ
この3人と相和会の相関関係で、かなりの部分がひも解けるはずだ…
しかし…、ここにきてまた思わぬ状況になってきた
これから社に戻り、局長から”話”を聞くことになっている…
...
「…来週の月曜日、臨時株主総会だそうだ。ここで、社長の交代が決まる。最終的な延長線上は、外からの買収ってことのようだ」
「そこまで…」
さすがに、ここまで”やられる”とは、想像してなかった
「何しろ、高価な絵だとか貴金属とか、連日のように返送されてきたってからよ。ご丁寧にも、社長の自宅にだ。経費で落とした”品”が、女性名義で小包みだ。奥さん、ヤバイらしいわ、さすがに…」
局長は、もうお手上げと言った表情で、愚痴をこぼすような口調で続けた
「おそらく、建田興行の地上げスキャンダルを取上げたあたりに、”種”まかれたんだろうな…。”奴ら”、中期的な”仕掛け”を怠らなかったってことさ。女好きの一点だけで、社長もこれじゃあな…。ミイラ取りがミイラってことだが…、まったくな。相和会ってのは、したたかだぞ。相馬が死んで、かえって危険な存在になったかもな…」
「…」
それは言えてるな、たしかに…
すんなり建田が2代目継いだかと思ったら、瞬きしてる間に、3代目体制になった
不気味なくらい、動きが”スマート”過ぎる
フン、きな臭さはプンプン匂ってくるけどな…
...
相和会は、「週間実話キャッチ」が、自分たちとその”お仲間”をターゲットにしていたことを、ずっと承知していたって訳だ…
そして、奴らは、ウチが国の中枢をすっぱ抜いた、別件のタイミングを最大限利用した
国のお偉方が大慌てになってるところで、利害関係の一致を大義名分に、”奴ら流”で動くことの了解を取り付けた
あくまで暗黙だろうが
権力側は、素知らぬふりで通すが、実際は共同作業だ
”それ”にウチが屈せば、これ以上の糾弾は防げるという算段だ
...
「お前さんのとこだって、いろいろと、それらしき”小さな”出来事は起きてるだろう?」
「ええ。無言電話や差出人不明の白紙の手紙、先週は小学校の子どもが、スーツ姿に”あいさつ”されたそうです。”お父さん、お仕事がんばってるみたいだね”って。ふざけやがって…!」
オレが女子高生の周辺を洗い始めた途端、奴らからのシグナルはあからさまになった
「ウチも似たような感じだわ。まあ、向こうも本気だということだ。このネタ、これ以上は無理だ。国の中枢へ一連の追及も、もう引き上げ、決定したしな」
局長はきっぱり断言した
いくらオレだって、この局面に至れば、駄々っ子って訳にはいかない
このままあの女子高生を追えば、彼女たちの身が危ないのは明らかだ
「あと一人…、一度だけ、話をしてきます。一応、未成年じゃないので。その結果で”確信”が持てたら、納得します。悔しいが記事にできないのは、オレにもわかってますから…」
「ああ…。まあ、ここに及んで、もうはっきりしたようなもんだしな。奴ら、こっちの睨んだ背景、認めたってことだしよ。このリアクションで明らかだよ…」
...
局長の言うとおりだ
こっちの見立ては、おそらく7割がたは的を射てる
だからこそ、せめて”彼”にはストレートにぶつかってこよう
それで、話が聞けるかはわからないが…
これがぎりぎりのところだろう、残念だが…
追川
また点と点が結ばれた
これで、線が何本かできた
この線同士も、やがて結びつき、面となるはずだ
...
オレは、”あの子”がアパートから去ったのを確認した後、白の”軽”を降りた
さっきまであの子が立っていた部屋の表札は、”香月”とあった
あの子、横田競子と香月明は少なくとも接点があったのだ
香月の方は、一両日中には”出てくる”
そしてもう一人の女子高生、こっちの方は病院で取り調べが続いているようだ
この3人と相和会の相関関係で、かなりの部分がひも解けるはずだ…
しかし…、ここにきてまた思わぬ状況になってきた
これから社に戻り、局長から”話”を聞くことになっている…
...
「…来週の月曜日、臨時株主総会だそうだ。ここで、社長の交代が決まる。最終的な延長線上は、外からの買収ってことのようだ」
「そこまで…」
さすがに、ここまで”やられる”とは、想像してなかった
「何しろ、高価な絵だとか貴金属とか、連日のように返送されてきたってからよ。ご丁寧にも、社長の自宅にだ。経費で落とした”品”が、女性名義で小包みだ。奥さん、ヤバイらしいわ、さすがに…」
局長は、もうお手上げと言った表情で、愚痴をこぼすような口調で続けた
「おそらく、建田興行の地上げスキャンダルを取上げたあたりに、”種”まかれたんだろうな…。”奴ら”、中期的な”仕掛け”を怠らなかったってことさ。女好きの一点だけで、社長もこれじゃあな…。ミイラ取りがミイラってことだが…、まったくな。相和会ってのは、したたかだぞ。相馬が死んで、かえって危険な存在になったかもな…」
「…」
それは言えてるな、たしかに…
すんなり建田が2代目継いだかと思ったら、瞬きしてる間に、3代目体制になった
不気味なくらい、動きが”スマート”過ぎる
フン、きな臭さはプンプン匂ってくるけどな…
...
相和会は、「週間実話キャッチ」が、自分たちとその”お仲間”をターゲットにしていたことを、ずっと承知していたって訳だ…
そして、奴らは、ウチが国の中枢をすっぱ抜いた、別件のタイミングを最大限利用した
国のお偉方が大慌てになってるところで、利害関係の一致を大義名分に、”奴ら流”で動くことの了解を取り付けた
あくまで暗黙だろうが
権力側は、素知らぬふりで通すが、実際は共同作業だ
”それ”にウチが屈せば、これ以上の糾弾は防げるという算段だ
...
「お前さんのとこだって、いろいろと、それらしき”小さな”出来事は起きてるだろう?」
「ええ。無言電話や差出人不明の白紙の手紙、先週は小学校の子どもが、スーツ姿に”あいさつ”されたそうです。”お父さん、お仕事がんばってるみたいだね”って。ふざけやがって…!」
オレが女子高生の周辺を洗い始めた途端、奴らからのシグナルはあからさまになった
「ウチも似たような感じだわ。まあ、向こうも本気だということだ。このネタ、これ以上は無理だ。国の中枢へ一連の追及も、もう引き上げ、決定したしな」
局長はきっぱり断言した
いくらオレだって、この局面に至れば、駄々っ子って訳にはいかない
このままあの女子高生を追えば、彼女たちの身が危ないのは明らかだ
「あと一人…、一度だけ、話をしてきます。一応、未成年じゃないので。その結果で”確信”が持てたら、納得します。悔しいが記事にできないのは、オレにもわかってますから…」
「ああ…。まあ、ここに及んで、もうはっきりしたようなもんだしな。奴ら、こっちの睨んだ背景、認めたってことだしよ。このリアクションで明らかだよ…」
...
局長の言うとおりだ
こっちの見立ては、おそらく7割がたは的を射てる
だからこそ、せめて”彼”にはストレートにぶつかってこよう
それで、話が聞けるかはわからないが…
これがぎりぎりのところだろう、残念だが…



