終われない夏の日/その21
ケイコ
翌朝は割と早く目覚め、3人一緒に朝食をとった
美咲が学校へ出かけた後、お母さんはパートの仕事で、9時前に家を出た
今日、私は家の掃除をすることにした
学校停学だし、そのくらいしないとダメだ
お母さんは、帰ったばかりで無理すんなって、言ってくれたけど…
まあ、ほどほどにはするつもりで、掃除機をかけたら、なんか、私のエンジンもかかっちゃったみたいで…
2階までかけ終わったら、10時半すぎててた
いけねー、多美との約束ギリギリになっちゃうわ…
私は、掃除機そのままにして、大急ぎで着替えをした
あと、化粧もちょっと…
で、玄関出て、門のカギ締めて道路へ出た
ん…?少し先に車、止まってるわ
黒塗りじゃないけど…、まだ監視かよ
今度は”軽”とかって、”覆面”にしても、極端だろうが
剣崎め、”伝言”の”返信”で、嫌味言ってやるぞ!
...
「ごめーん、多美ー!」
「おー!おけい!わー、帰ってきたんだなー。ああ、元気でいたか?」
昼下がりの晴天の公園で、私らは思わず抱き合った
「うん、この通りだ、大丈夫だよ。悪い、いきなり遅刻だ、すまん」
「はは、相変わらず律儀だな、おけいは。まだ戻って間なしだし、少し落ち着いてからって思ったんだけどさ、やっぱり。私もこういう性格なんで、勘弁してくれ」
「何言ってんだ、多美には一番迷惑かけてるんだし、ホントなら、昨日、会わなきゃってところだ。いろいろ、面倒かけちゃってさ…」
「おけい、まあ、ここかけろよ、”昼”買ってあるんだ。喰いながらやろ」
多美は、袋の中から、湯気ムンムンの発砲容器二つを取り出した
「おー、サンキュ。うまそうだな、これ。いいのか?」
「おお、アンタのためにと思ってさ、精つけろよ、心労たまってんだろうし。ハハハ…」
「吉野家の牛丼じゃん、これ、大盛りか?」
「”心もち”、”超”大盛りで頼んだ…」
「ハハハ、それ、ウチらが初めてパフェ突いたとき、テツヤが吠えてたフレーズだわ…!懐かしいなー、あん時以来”マブ”、ずっとだもんな、アンタとは」
「そうだな。あの日、忘れてないぞ。これからも忘れないな、絶対。ああ、熱いうち喰おうぜ、昼から”牛”だぜ、青雲の下、ハハハ…」
はっきり言って、むしゃむしゃ食べたわ…
はは、昨日から私、喰いすぎだわ
...
「うまかった、ホントうまかったわ。多美、ありがとうな」
「いいんだよ、未成年じゃなきゃ、酒盛りやってるくらいだしよ。今日は」
多美とは二十歳超えたその瞬間に、酒、飲む約束してる
はは、それも大酒だろうな、私らじゃあさ
この約束、実はテツヤも交えてのことだった…
たった、1年前の約束だ…
”激動”の二文字が恍惚としてるよ、ここんとこ
「あのさ、多美、お前の夢、見たんだ。警察の”中”でな…。走ってたよ、ウチら、一緒に」
「そうか、それで、並走だったか?」
「いや、それがさ、全然違う方向に向かって走ってんだ、二人とも。そのうち、道が分かれて…。それもお互い無言で、無表情で…」
「…。そうか、それでどうなった?また会ったんだろ、結局、合流ってことで、そんなとこか?」
「それがさ、私、足がどんどん重くなってって…。脂汗どっと湧き出て…。気が付いたら、さっきまで真っ青だった空が、大口開けて、舌出してんだ。周りはすっかりドス黒くなってるし…、それで…」
「はは、おけい、おけい、お前、疲れてるんだ…。まあ、今はそれ、忘れろよ。な、とりあえずはさ…、ハハ…」
なぜこんな話、急に口にしたかわかんないが、多美だったからってのはあったと思う
「申し訳ない。まさか、吉野家、喰えると思わんかったんで、舞い上がったかな、ははは。なんかこういう感覚、結構あってさ。引いちゃったよな、やっぱり」
「…、ああ、いいさ。気、使うなよ。お前の”根性”知ってるから、平気さ。ただ、やっぱりな…」
「当たり前だよな、多美、ゴメン、いろいろ、伝えるべきことあんだろ?言ってくれ、遠慮はいらない」
その後、多美は”本題”に入った…
ケイコ
翌朝は割と早く目覚め、3人一緒に朝食をとった
美咲が学校へ出かけた後、お母さんはパートの仕事で、9時前に家を出た
今日、私は家の掃除をすることにした
学校停学だし、そのくらいしないとダメだ
お母さんは、帰ったばかりで無理すんなって、言ってくれたけど…
まあ、ほどほどにはするつもりで、掃除機をかけたら、なんか、私のエンジンもかかっちゃったみたいで…
2階までかけ終わったら、10時半すぎててた
いけねー、多美との約束ギリギリになっちゃうわ…
私は、掃除機そのままにして、大急ぎで着替えをした
あと、化粧もちょっと…
で、玄関出て、門のカギ締めて道路へ出た
ん…?少し先に車、止まってるわ
黒塗りじゃないけど…、まだ監視かよ
今度は”軽”とかって、”覆面”にしても、極端だろうが
剣崎め、”伝言”の”返信”で、嫌味言ってやるぞ!
...
「ごめーん、多美ー!」
「おー!おけい!わー、帰ってきたんだなー。ああ、元気でいたか?」
昼下がりの晴天の公園で、私らは思わず抱き合った
「うん、この通りだ、大丈夫だよ。悪い、いきなり遅刻だ、すまん」
「はは、相変わらず律儀だな、おけいは。まだ戻って間なしだし、少し落ち着いてからって思ったんだけどさ、やっぱり。私もこういう性格なんで、勘弁してくれ」
「何言ってんだ、多美には一番迷惑かけてるんだし、ホントなら、昨日、会わなきゃってところだ。いろいろ、面倒かけちゃってさ…」
「おけい、まあ、ここかけろよ、”昼”買ってあるんだ。喰いながらやろ」
多美は、袋の中から、湯気ムンムンの発砲容器二つを取り出した
「おー、サンキュ。うまそうだな、これ。いいのか?」
「おお、アンタのためにと思ってさ、精つけろよ、心労たまってんだろうし。ハハハ…」
「吉野家の牛丼じゃん、これ、大盛りか?」
「”心もち”、”超”大盛りで頼んだ…」
「ハハハ、それ、ウチらが初めてパフェ突いたとき、テツヤが吠えてたフレーズだわ…!懐かしいなー、あん時以来”マブ”、ずっとだもんな、アンタとは」
「そうだな。あの日、忘れてないぞ。これからも忘れないな、絶対。ああ、熱いうち喰おうぜ、昼から”牛”だぜ、青雲の下、ハハハ…」
はっきり言って、むしゃむしゃ食べたわ…
はは、昨日から私、喰いすぎだわ
...
「うまかった、ホントうまかったわ。多美、ありがとうな」
「いいんだよ、未成年じゃなきゃ、酒盛りやってるくらいだしよ。今日は」
多美とは二十歳超えたその瞬間に、酒、飲む約束してる
はは、それも大酒だろうな、私らじゃあさ
この約束、実はテツヤも交えてのことだった…
たった、1年前の約束だ…
”激動”の二文字が恍惚としてるよ、ここんとこ
「あのさ、多美、お前の夢、見たんだ。警察の”中”でな…。走ってたよ、ウチら、一緒に」
「そうか、それで、並走だったか?」
「いや、それがさ、全然違う方向に向かって走ってんだ、二人とも。そのうち、道が分かれて…。それもお互い無言で、無表情で…」
「…。そうか、それでどうなった?また会ったんだろ、結局、合流ってことで、そんなとこか?」
「それがさ、私、足がどんどん重くなってって…。脂汗どっと湧き出て…。気が付いたら、さっきまで真っ青だった空が、大口開けて、舌出してんだ。周りはすっかりドス黒くなってるし…、それで…」
「はは、おけい、おけい、お前、疲れてるんだ…。まあ、今はそれ、忘れろよ。な、とりあえずはさ…、ハハ…」
なぜこんな話、急に口にしたかわかんないが、多美だったからってのはあったと思う
「申し訳ない。まさか、吉野家、喰えると思わんかったんで、舞い上がったかな、ははは。なんかこういう感覚、結構あってさ。引いちゃったよな、やっぱり」
「…、ああ、いいさ。気、使うなよ。お前の”根性”知ってるから、平気さ。ただ、やっぱりな…」
「当たり前だよな、多美、ゴメン、いろいろ、伝えるべきことあんだろ?言ってくれ、遠慮はいらない」
その後、多美は”本題”に入った…



