ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

終われない夏の日/その14
ケイコ


通り一遍の表現なんだろうが、やっぱり我が家はいいなあ

さほどの期間ではなかったが、なんか、妙に懐かしい気がする

昨日は母娘3人、久しぶりに自宅で夕食を共にし、そのあと”一番風呂”を貰った

お母さんと美咲は私の体を気遣ってくれてたので、10時前には部屋で横になった

で、気が付いたら朝9時を過ぎていた

どうやら、あのまま寝入ったようで、朝まで爆睡してたらしい

私が目を覚ました時には、二人はもう家にいなかった

うん?机の上に便箋が置いてあるぞ…

部屋の出窓はどうやら開けてくれてたらしく、穏やかな風で、重しがわりの文庫本の下で、便箋がそよいでる

私は机に向かい、便箋に目を通した


...



「おねえちゃん、おはよう。疲れとれた?今日は学校の後、図書館で人と会うので、少し遅くなると思います。無理しないで、ゆっくりしててね  美咲」

数行開けて、今度はお母さんの達筆が埋まっている

美咲のに比べ、長文だ

「ケイコ、昨日はいきなりぶったりして、ゴメンね。今日、学校に行って、ケイコが帰ってきた報告してきます。まだ疲れとれてないだろうから、今日はゆっくりしてなさい。まあ、あなたのことだから、こんな時でも家でゴロゴロなんて、できないでしょうけど…。冷蔵庫にサンドウィッチあるから、起きたら食べてね。あと昨夜、お父さんには国際電話で、あなたが帰ってきたこと、伝えておいたから。お父さん、”頑張れ”と”負けるな”ばっかりだったわ。じゃあ、昼過ぎには帰るから。出かけるなら、気を付けていってらっしゃい  美沙」

私、それ読み終える前に、便箋を涙で濡らしてた


...



机の上には留守中に届いた、私宛の郵便物も輪ゴムで束ねて置いてあった

どう見ても、十数通はあるかと思える厚みの束だ

昨日はここに無かったんだけど…

お母さんと美咲は、昨日これ渡せば、一気に目を通すまでベッドに入らないと思ったんだろう

まあ、私の性格知り尽くしてるから、二人とも(笑)

調子くるっちゅうなあ…

何気に優しすぎるって、2人とも、はは…


...



私は、とりあえずシャワーを浴びた

そして、母の愛情入りの朝食をおなかに収め、その後で、”輪ゴム”を外した

半分以上は友達からの、”激励”レターだった

全く、嬉しい限りだ

罪を犯している私に、こんな不良娘に…

みんな、温かく私の帰りを待っててくれてたんだ

また涙腺緩みそうだが、キリないんで、ここは必死にこらえた

さて、だいたいの”予想”はできてるが、あと一通だ

淡いイエローの提携サイズのDMらしきこの封筒には、差出人、「ビューティーサロン/ヒールズ」とあった

一目瞭然だ…

剣崎さんからのメッセージが入っているに違いない…

まあ、内容もおおよそ察しはついてるし、さあ、開封だ