オリジナル原稿版/相馬豹一葬儀シーン~麻衣とケイコの対峙とその真実/その7
剣崎
その場から二人を相馬会長の元へ連れると、会長は一目でケイコを見初めた
すぐそばで見ていた俺にも、”それ”がはっきり感触で伝わってきたしな
かくしてケイコは麻衣と”同じ条件”、”同じ土俵”で競うこととなったんだが…
それでもあの時、会長は単に”最強”の麻衣に正面対決で負けなかったケイコを女勢力のてっぺんで張り合わせるのは、持ち前の”好奇心”からだろうと思っていたんだ
ふう…、しかしながら、やはり相馬豹一という人間は、そんな人並みな括りで収まる感性など持ち合わせていなかったわ
そのことは、それから間もなくして思い知らされることになったよ
...
その夏の終わり…、田代組組長との会合の帰り、会長は自らの残命を概ね1年としていることを俺に告げた
会長は自分がこの世を去る時の”光景”を用意して、俺たちに残すというニュアンスを伝えてくれたんだ
その”核”がなんと、麻衣とケイコだと…!
俺は鳥肌が立った
常人には開けることのできない、もうひとつの眼の瞼…
それををくっきりと見開き続けて生きてきた会長には、その”もう一つの眼”で捉えた視界がどんと広がっていたんだろう
そこに映っている光景は、遠い先の相和会の姿だったようだ
そして、自分が死んだ後、そこへの旅路に向かう我々に残すカタチ…
会長は死期までの概ね1年で、”そこ”に持って行くことを残されたライフワークとする考えを明かしてくれたよ
”その時の光景”が、まさに今、俺の目の前だって
剣崎
その場から二人を相馬会長の元へ連れると、会長は一目でケイコを見初めた
すぐそばで見ていた俺にも、”それ”がはっきり感触で伝わってきたしな
かくしてケイコは麻衣と”同じ条件”、”同じ土俵”で競うこととなったんだが…
それでもあの時、会長は単に”最強”の麻衣に正面対決で負けなかったケイコを女勢力のてっぺんで張り合わせるのは、持ち前の”好奇心”からだろうと思っていたんだ
ふう…、しかしながら、やはり相馬豹一という人間は、そんな人並みな括りで収まる感性など持ち合わせていなかったわ
そのことは、それから間もなくして思い知らされることになったよ
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その夏の終わり…、田代組組長との会合の帰り、会長は自らの残命を概ね1年としていることを俺に告げた
会長は自分がこの世を去る時の”光景”を用意して、俺たちに残すというニュアンスを伝えてくれたんだ
その”核”がなんと、麻衣とケイコだと…!
俺は鳥肌が立った
常人には開けることのできない、もうひとつの眼の瞼…
それををくっきりと見開き続けて生きてきた会長には、その”もう一つの眼”で捉えた視界がどんと広がっていたんだろう
そこに映っている光景は、遠い先の相和会の姿だったようだ
そして、自分が死んだ後、そこへの旅路に向かう我々に残すカタチ…
会長は死期までの概ね1年で、”そこ”に持って行くことを残されたライフワークとする考えを明かしてくれたよ
”その時の光景”が、まさに今、俺の目の前だって



