シナリオ&カラクリ/その14
剣崎
麻衣のアパートへは俺一人でやってきた
ノックをすると、香月明が玄関を開けた
「やあ、 先だってはいろいろと、すまなかったな。これからの件できた。中、いいか?」
「剣崎さん…、ああ、中、どうぞ」
明は、俺が来るとは思っていなかったようだ
「ここへは他の人かと思ってたんで…」
「君には直接話したかったからな。この前の経緯もあるし」
...
俺は早速、話を切り出した
「麻衣は今、警察で取調べを受けてる。傷害事件の"被害者"でだ。勿論、仕掛けたのはヤツの方だが、まあ、あくまできっかけだから、それはどうでもいい。おそらく、もう体の不調を訴えてる頃だろう」
俺はここで、一呼吸置き、煙草に火をつけた
「その後、病院に回されて、例の反応が確認されれば、"本題"になる。麻衣は君経由ということで、頼む。他はこの前伝えた内容に沿ってだが、具体的な受け答えは、このペーパーで確認してほしい」
黙って聞き入っていた明に、用意してきた書面を渡した
それに目を通し終わると、明は「だいたいわかりました」と答えた
「よし。”そいつ”はすまないが、処分させてもらう」
俺はペーパーを受取り、ライターで燃やした
...
「来週中には、自宅に任意で迎えが来ると思う。大丈夫だな?」
「ええ、心構えは出来てますよ」
どうやら、覚悟は固まっているようだ
この青年は見た目はヤワだが、まるで風にそよぐ柳の枝のようだ
難航してた立退き相手を落としたと聞いてんで、どんな奴かと思っていたが…
我々とは対極の人間だが、目の前の風雨をやり過ごす、しなやかさを感じる
そういえば、麻衣は明のことを”フレた”奴とか言っていたな
剣崎
麻衣のアパートへは俺一人でやってきた
ノックをすると、香月明が玄関を開けた
「やあ、 先だってはいろいろと、すまなかったな。これからの件できた。中、いいか?」
「剣崎さん…、ああ、中、どうぞ」
明は、俺が来るとは思っていなかったようだ
「ここへは他の人かと思ってたんで…」
「君には直接話したかったからな。この前の経緯もあるし」
...
俺は早速、話を切り出した
「麻衣は今、警察で取調べを受けてる。傷害事件の"被害者"でだ。勿論、仕掛けたのはヤツの方だが、まあ、あくまできっかけだから、それはどうでもいい。おそらく、もう体の不調を訴えてる頃だろう」
俺はここで、一呼吸置き、煙草に火をつけた
「その後、病院に回されて、例の反応が確認されれば、"本題"になる。麻衣は君経由ということで、頼む。他はこの前伝えた内容に沿ってだが、具体的な受け答えは、このペーパーで確認してほしい」
黙って聞き入っていた明に、用意してきた書面を渡した
それに目を通し終わると、明は「だいたいわかりました」と答えた
「よし。”そいつ”はすまないが、処分させてもらう」
俺はペーパーを受取り、ライターで燃やした
...
「来週中には、自宅に任意で迎えが来ると思う。大丈夫だな?」
「ええ、心構えは出来てますよ」
どうやら、覚悟は固まっているようだ
この青年は見た目はヤワだが、まるで風にそよぐ柳の枝のようだ
難航してた立退き相手を落としたと聞いてんで、どんな奴かと思っていたが…
我々とは対極の人間だが、目の前の風雨をやり過ごす、しなやかさを感じる
そういえば、麻衣は明のことを”フレた”奴とか言っていたな



