オリジナル原稿版/相馬豹一葬儀シーン~麻衣とケイコの対峙とその真実/その5
剣崎
俺は、相馬会長がこの世を去る直前に交わした”あの人”との”会話”で、ある意味覚醒された
それは生まれてからこのかた、ずっとつむっていたもうひとつの別の眼が開いたに等しかったよ
これから会長亡き後、相和会を然るべき方向に持って行く道程に於いて、重大な決断を迫られた際は、相馬豹一から得た”もうひとつの眼”を以って判断していかなくては…
そしてそのヒントとなるのは、相馬会長の残していった”モノ”となる
ふふ…、それこそが、今目の前にしてる”モノ”だ
麻衣とケイコ…
...
本当なら、会長は生前に後継指名した実子である若と、例の怪しいクスリ…
これらの”モノ”を我々に残すつもりだった…、と思う
無論、あの人特有の”ダブルミーニング”を添えてだ
だが去年の春、若が”急死”し、それとまさに入れ替わった形で本郷麻衣が相馬会長の前に降って現れた
少なくとも”業界”ではこの認識で一致しているはずだ
フン…、だがその会長は、麻衣に自らの遠縁という設定に据え、すでに悟っていた死期までの遺産つくりに再度着手していたんだよ
あのクスリを絡めて…
...
今から思えば、相馬会長は、麻衣のポテンシャルを初体面で100%見切っていたようだ
それは、麻衣には自分と同類の”イカレた血”が流れているということも含めて…
会長がその麻衣を”どこ”に誘導して行く腹なのか、俺は常にそれを推し量っていた
しかし相馬豹一という稀に見る奇人は、俺などの想像の範囲を超えた”眼”で麻衣を捉えていたわ
会長は麻衣にほぼ無制限に近い力を与え、この一年、思うままに暴れさせた
麻衣は我々の予想をはるかに超える行動にでたよ
で、去年の夏…、アイツらの界隈をヤツがリードして再編を終えたわけだが…、俺の目からはそここそ、麻衣が到達点に着いたマックスと見えてとれた
そこが会長が考えた麻衣の持って行きどころだったと
ところがだったわ…
剣崎
俺は、相馬会長がこの世を去る直前に交わした”あの人”との”会話”で、ある意味覚醒された
それは生まれてからこのかた、ずっとつむっていたもうひとつの別の眼が開いたに等しかったよ
これから会長亡き後、相和会を然るべき方向に持って行く道程に於いて、重大な決断を迫られた際は、相馬豹一から得た”もうひとつの眼”を以って判断していかなくては…
そしてそのヒントとなるのは、相馬会長の残していった”モノ”となる
ふふ…、それこそが、今目の前にしてる”モノ”だ
麻衣とケイコ…
...
本当なら、会長は生前に後継指名した実子である若と、例の怪しいクスリ…
これらの”モノ”を我々に残すつもりだった…、と思う
無論、あの人特有の”ダブルミーニング”を添えてだ
だが去年の春、若が”急死”し、それとまさに入れ替わった形で本郷麻衣が相馬会長の前に降って現れた
少なくとも”業界”ではこの認識で一致しているはずだ
フン…、だがその会長は、麻衣に自らの遠縁という設定に据え、すでに悟っていた死期までの遺産つくりに再度着手していたんだよ
あのクスリを絡めて…
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今から思えば、相馬会長は、麻衣のポテンシャルを初体面で100%見切っていたようだ
それは、麻衣には自分と同類の”イカレた血”が流れているということも含めて…
会長がその麻衣を”どこ”に誘導して行く腹なのか、俺は常にそれを推し量っていた
しかし相馬豹一という稀に見る奇人は、俺などの想像の範囲を超えた”眼”で麻衣を捉えていたわ
会長は麻衣にほぼ無制限に近い力を与え、この一年、思うままに暴れさせた
麻衣は我々の予想をはるかに超える行動にでたよ
で、去年の夏…、アイツらの界隈をヤツがリードして再編を終えたわけだが…、俺の目からはそここそ、麻衣が到達点に着いたマックスと見えてとれた
そこが会長が考えた麻衣の持って行きどころだったと
ところがだったわ…



