ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

盛夏の傷痕/その6
剣崎


その日の打合せは、矢島さんの自宅でという事になった

夜7時過ぎに着くと、奥さんは出かけていた

「買い物行かせてるんだ。欲しい服あるって言ってたんで、銭持たせてたよ。ブティック寄るだろうから、まあ1時間ってとこだ」

今日のハナシは、1時間で決着ということになる

「そうですか。で、早速なんですが…」

矢島さんは、すでに状況は察していだが、まずは一通りの報告を済ませた

「フン、ガキの吹いたラッパで、墨しょった大人が踊ったってことか…」

独特の苦笑いをしながら、矢島さんはビールを一口含んだ

「ええ、まあ…。それで、残りの手配なんですけど…」

...


「段取りはできてるよ。”どっちも”な。建田は2年前の恐喝でしょっ引かれる。すでに脱税の件は積んであるしな、そのまま”乗っけ”で起訴だ。関東への”売り”は北原ってことになる。ヤツは前々から、女でつけ込まれるクセついてるからな。明石田の叔父貴もよく思ってないし、フン、”適任”だろうよ」

これで外堀は埋まった

建田さんの脱税が挙がれば、必然的に”掠め”も白日に晒される

更に、関東へのすり寄りが”側近”でとなれば、”合わせ”で組を売ったも同然ということだ

あの世の会長に泥を塗ったとなると…

相和会にとって、これは、末端の枝にまで屈辱を与える所業だ

この時点では、明石田の叔父貴は建田さんを見放さないかも知れない

矢島一派の陰謀ということで、叔父貴を担ぐ輩も出る

そこで、最後の一矢は、会長の”遺産”だ

あの”へんてこな錠剤”で止めとなる

建田組の内部で、女子高生へ流通させたということで

「マッドハウス」のギター青年経由で…