オリジナル原稿版/相馬豹一葬儀シーン~麻衣とケイコの対峙とその真実/その4
剣崎
なにしろだ…
中途半端にこっちのそれなりのモン、例えば倉橋などを送れば、火に油を注ぐようなもんだ
かといって、矢島さんと跡目を張る立場の建田さんに、名もない下っ端っという訳にもいかんだろうし…
「親分は、誰を遣わそうとお考えですか?」
「バカヤロー、それ、見っけんのがお前の役目だろうが!」
矢島さんは声のボリュームは抑えてはいたが、俺はいきなり一喝されたよ
...
「…なあ、剣崎よう、叔父貴には頼めん。”ソレ”やったら向こうの思うツボだって。そうなると、俺のアタマじゃあ、思い浮かばん。済まんが、葬儀済んじまうまでに考えておいてくれ」
今度は途端に穏やかな口調できた
そう言う訳か…
「はあ…。まあ、よく考えてみますが…」
「頼むぞ!…県警は建田を”後”とは見なしていないが、何と言っても組にとっちゃあ、金のなる木だ。シャクだが、今の相和会を経済で支えているのは建田組だ。それは認めざるを得ん。だからだ、取扱い厳重注意ってな。はは…、その辺をよく汲んでな…」
そうさ…、この人のおしゃる通りなんだ
要はそこさ…
何と言っても、現在、建田組の稼ぎがなければ相和会は立ち行かないってのは、それこそ組のもん全員皆が承知している
そのことを建田さんは十分計算に入れて、今回のボイコットってことだろうし…
...
要するに、矢島さんも今回先手を打ったケンカ、次の一手が見当たらんと…
実際、やたらなボールを投げれば、建田さんからの返球によっては致命傷を負わされる
そうなれば、こっちがストックしている”ネタ”の使いどころだって失ってしまうだろう
それは建田さん側との跡目争いでの敗北を意味する
何しろ、こっちからのアプローチが重要になるな
これは参った…
さあ、どうするか…?
俺は心の中で腕組みをしていたよ
剣崎
なにしろだ…
中途半端にこっちのそれなりのモン、例えば倉橋などを送れば、火に油を注ぐようなもんだ
かといって、矢島さんと跡目を張る立場の建田さんに、名もない下っ端っという訳にもいかんだろうし…
「親分は、誰を遣わそうとお考えですか?」
「バカヤロー、それ、見っけんのがお前の役目だろうが!」
矢島さんは声のボリュームは抑えてはいたが、俺はいきなり一喝されたよ
...
「…なあ、剣崎よう、叔父貴には頼めん。”ソレ”やったら向こうの思うツボだって。そうなると、俺のアタマじゃあ、思い浮かばん。済まんが、葬儀済んじまうまでに考えておいてくれ」
今度は途端に穏やかな口調できた
そう言う訳か…
「はあ…。まあ、よく考えてみますが…」
「頼むぞ!…県警は建田を”後”とは見なしていないが、何と言っても組にとっちゃあ、金のなる木だ。シャクだが、今の相和会を経済で支えているのは建田組だ。それは認めざるを得ん。だからだ、取扱い厳重注意ってな。はは…、その辺をよく汲んでな…」
そうさ…、この人のおしゃる通りなんだ
要はそこさ…
何と言っても、現在、建田組の稼ぎがなければ相和会は立ち行かないってのは、それこそ組のもん全員皆が承知している
そのことを建田さんは十分計算に入れて、今回のボイコットってことだろうし…
...
要するに、矢島さんも今回先手を打ったケンカ、次の一手が見当たらんと…
実際、やたらなボールを投げれば、建田さんからの返球によっては致命傷を負わされる
そうなれば、こっちがストックしている”ネタ”の使いどころだって失ってしまうだろう
それは建田さん側との跡目争いでの敗北を意味する
何しろ、こっちからのアプローチが重要になるな
これは参った…
さあ、どうするか…?
俺は心の中で腕組みをしていたよ



