ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

オリジナル原稿版/相馬豹一葬儀シーン~麻衣とケイコの対峙とその真実/その3
剣崎



数時間前…

「建田の”ストライキ”、決行のようだ」

「はあ…。やはり、そうなりましたか…」

「…明石田の叔父貴からも言われたが、何しろ業界のメンツ最優先だ。相馬豹一が他界したんだからよう、東西の大手がヨダレ垂らして大口開けてるしな。相和会、いよいよ食べごろを迎えたってよう…」

矢島さんが今日の葬儀委員長に就くことを強引に決めたことに反発した建田さんは、本葬を欠席という手段に出た

もっともこっちサイドは、意図的に”向こう”を挑発するつもりだった

矢島さんと俺はさっき、明石田の叔父貴から今回の対応にはこってりと苦言を呈されたわ

この人だって、この事態は織り込んではいたさ

だが実際に葬儀の場となると、参列する業界関係者の目がかなり気になってるようだ

まあ、それはこの俺も同様なんだが…

...


「…建田のヤロウは自分で蜜を塗りこんで、連中に食われたいようだ。だがよう、こっちは断じてゴメンだぜ。叔父貴も同様さ。でよう、ココはしっかりケジメってことだ」

「叔父貴からはこっちにも”非”有りと、先程もきつく訓読入れられましたが、そっちの方は良いんですかね?」

「あれは”儀式”だ。それこそ叔父貴の体面があるしな。俺たちに対してだって、衆目への”アリバイシーン”は必要だ。でもよう、分かってるだろ?答えは見えてる。俺達サイドには県警がついてんだ。錦の御旗だよ。要は、戦う前から建田は賊軍なんだ。叔父貴もそれはちゃんと掌握されてる。さすがに今から表だって口には出さねえよ、そりゃあ…。だからよう…」

「じゃあ、建田さんを呼び出しですね?」

「うむ…。もう紙はしたためた。それで、その遣いのモンだが…」

うーん、”その遣い”となると…

これは難しい…