そう考えた時、私は席から立ち上がった。

誰もいない放課後の教室でぼーっとしているだけのこの時間がもったいなく感じた。

行ってみよう。斗亜と行った場所に。

病院、カフェ、遊園地、バス停…。一緒に過ごした場所を1ヵ所ずつ思い出す。

私にも斗亜を探せる場所がある。彼がそこにいるわけがないけれど、何もせずに別れるなんて嫌だった。

足早に教室を出て階段を降りた。急いで靴を履きかえて校門を出る。近くから探そうとまずは家の近くのバス停に向かおうとした。

その時。

道の先に斗亜が立っているのが見えた。学校の塀に寄りかかって下を向いていた。


「斗亜…!」


名前を呼ぶと彼がぱっと顔を上げてこちらを向いた。