「5年前までは世界中に嫌われても平気だと思ってた。優輝は絶対にそばにいてくれるってわかってたから。小さい頃からそうだったみたいに。でも優輝がいなくなってから何かに反発する気力すら湧かない。」
「澪…。」
彼女を手で乱暴に涙を拭って、まっすぐに俺を見た。
「でも優輝のことになるとまだ怒る気力が残ってたみたい。それくらいまだ好きなの。だから勝手なこと言わないで。」
その時、俺はやっと気がついた。
残された人に『自分を忘れて幸せに生きてほしい』なんて勝手な我が儘だったのだと。
死んだ人を忘れずに生きる側も、残された人に自分を忘れてほしいと願う側も間違いではない。でもお互いにそれを相手に押し付けてはいけないのだ。
「澪…。」
彼女を手で乱暴に涙を拭って、まっすぐに俺を見た。
「でも優輝のことになるとまだ怒る気力が残ってたみたい。それくらいまだ好きなの。だから勝手なこと言わないで。」
その時、俺はやっと気がついた。
残された人に『自分を忘れて幸せに生きてほしい』なんて勝手な我が儘だったのだと。
死んだ人を忘れずに生きる側も、残された人に自分を忘れてほしいと願う側も間違いではない。でもお互いにそれを相手に押し付けてはいけないのだ。

