忘れられた恋の物語

「自分の気持ちを言わずに行こうとしてたってことは、いなくなった後もう私とは連絡取らないってことだよね。」

「連絡は…取らない。」


予想はしていたけれど実際に言われると傷付いた。ここから離れたら、彼はもう私と関わるつもりはないのだと。

確かに実際、彼の連絡先を全く知らない。連絡先だけではない。私は斗亜のことを何も知らない。それを考えるとこれは、本当に1か月の間だけの関係なのだ。

私は今も泣いてしまいそうなくらい寂しいのに。


「…わかった。今も連絡先は知らないし、このまま斗亜がいなくなった後は忘れることにする。」

「…絶対にそうして。」


彼の言葉が私に追い討ちをかける。私は必死に笑顔をつくって斗亜に笑いかけた。


「わかった。」


それが私の恋の終わりだった。

とても短くかった恋の。