忘れられた恋の物語

汽車から降りてすぐに私たちはメリーゴーランドに向かった。

初めて見たメリーゴーランドはすごく綺麗で、私は周りを見渡した。


「うわ~…すごく綺麗だね。」

「そうでしょ。好きなのに乗って。俺はその隣に乗るから。」

「うん!」


私がピンク色の鞍が付いた白馬を選ぶと、斗亜はその隣の馬に跨がった。


「私初めて!嬉しい!」

「良かった。しっかり掴まっててね。」

「うん。」


アナウンスが入り動き出したメリーゴーランドに、私はぎゅっと手すりを掴んだ。

それを見ていた斗亜が私の方に少し体を乗り出して聞いた。


「怖い?」

「ううん。楽しい!」


そう答えると斗亜は安心したように笑った。