斗亜が私を連れて来たのは、小さな子供向けの汽車の乗り場だった。列には汽車に乗るために赤ちゃんや小さな子供連れの親子が何組か並んでいた。


「ねえ…もしかしてこれに乗ろうとしてる?」

「うん。」

「やだよ!恥ずかしいじゃん!並んでる人も親子しかいないよ!」

「でも乗っちゃいけないわけじゃないでしょ。」

「そうだけど…。」

「いいから。俺と一緒なんだから恥ずかしくないでしょ?」


その時、可愛い汽笛を鳴らしながら汽車が乗り場に帰ってきた。それを見つけた斗亜が嬉しそうに笑った。


「来たよ。乗ろう!」


手を引かれて私は渋々歩き出した。