忘れられた恋の物語

それなのに。

待ち合わせ場所で彼に『遊園地に行こう』と言うと、すぐに断られた。

予想外の彼の答えに私は言葉を失う。


「えっ…どうして?」

「遊園地なんてダメだよ。」

「なんで!私の行きたいところならどこでも行くって言ってたでしょ。」

「でもダメ。遊園地はダメ。」


頑なに遊園地はダメだと言う彼が不思議だった。


「もしかして乗り物苦手なの?」

「そうって言ったら行かない?」


その答えに彼は乗り物が苦手だから行かないと言ってるんだと思った。


「乗り物は乗らないよ!だから行こう!」

「ダメだって。」

「本当に乗らないから!本当に!」