忘れられた恋の物語

「この後はどうする?」

「えっ?」


勝手にご飯を食べて終わりだと思っていた私は驚いて聞き返した。

すると彼が察したように手で口をふさぐ。


「あっ…これで帰るつもりだった?ごめんね。」

「今日はご飯食べて終わりかと思ってた…。ごめん。」

「いや!大丈夫だよ!」


一瞬沈黙が流れた後、彼が意を決したように言った。


「帰らないとダメ?」

「え…。」

「もう少し一緒にいよう。俺、もう時間がないから。」


ドキッとした。

その後すぐに彼はまた誤解させるような言葉を言うのかと少し腹が立った。


「あと少しだけ。お願い。」

「ごめん。この後家族と予定があるの。」

「そっか...。」