私と目が合った瞬間、彼が明るく笑う。

それにつられて私も気付いたら笑っていた。

そのまま席まで歩いて行き、彼の向かいに腰かけた。すると彼がテーブルに腕をついて少し前のめりになった。


「来てくれてありがとう!嬉しい!」

「約束したんだから来ますよ。」


そう言いながら一度来るか迷ったことが頭をよぎった。その事は彼には秘密にしておこう。


「でもありがとう。正直、今日来てくれないかと思ってた。俺が怪しすぎて嫌われたかなって。」

「怪しいけど…とりあえず来た。」

「とりあえずだったか。」


私がどんなに冷たく返事をしても、彼は嬉しそうに笑っていた。


「柚茉はお腹空いてる?」

「えっ?」


突然呼び捨てにされて思わず聞き返した。