「どうでしたか。この1か月間は。」


現世から戻った俺に飛田さんが聞いた。


「心残りってやっぱりどうしても残ってしまうものですね。最初は"生きてほしい"って柚茉に伝えられたらそれでよかったのに。」

「ひと言伝えるのには1か月なんて要りませんよね。なのにも関わらずそれだけの時間が用意されているのは、死者の方に本当の心残りは何か考えていただけるようにです。」

「そうですね。おかげで俺も自分の気持ちを柚茉に伝えることができました。最後の時間は本当に悲しかったけど幸せでした。」

「それなら良かった。」


安心したように微笑む飛田さんに、俺は聞きたいことがあった。


「あれから飛田さんはどうでしたか?澪さんと。」

「ああ…。」