「お邪魔します…。」


斗亜の部屋はこぢんまりとしていて、必要なものだけがあるようだった。彼の荷物も少ないように見えた。


「体が冷えてるでしょ。風邪引いたら大変だからお風呂も使って。服も濡れてるだろうから俺のを貸すから。」

「ありがとう…。」


手早くタオルや着替えを私の手に持たせた斗亜は、私の背中を押して脱衣所に入れた。


「急いで柚茉。どんどん冷えるよ。」


それだけ言った彼は扉を閉めて行ってしまった。

お言葉に甘えてシャワーを浴びると、冷えた体が温まって生き返るようだった。


「ありがとう。お風呂も、タオルも、服も…。」


お風呂から出ると斗亜は椅子に座っていた。


「体温まった?大丈夫?」

「うん。斗亜も入ってきなよ。風邪引いちゃう。」

「そうだね。」