忘れられた恋の物語

「とりあえずあそこの軒下に入ろう!」


私たちは遊園地の売店の店先の屋根に入った。

急いだのに強すぎる雨と走ることが出来ない私のせいで、すでに全身びしょ濡れだった。


「売店で傘買ってくるから待ってて。」


そう言って斗亜が店に入っていったけれど、外から見える限り傘を買い求めるお客さんでいっぱいだった。

今日は天気予報も晴れだったし、傘を持っている人の方が珍しいのだ。

その後すぐに戻ってきた斗亜はやはり傘を持っていなかった。


「売り切れてた。どうしようか…?」

「人がいっぱいだったからそうかなと思ってた。大丈夫だよ。このまま帰ろう。」


すると斗亜が焦って私を呼び止めた。


「ダメだよ!風邪引いたらどうするの!」

「でも、このままここにはいられないし…。」