忘れられた恋の物語

ストレートに綺麗だと言われて顔が赤くなった。周りが暗くてよかった。

目をそらして下を向いた私の頬を斗亜が両手で包み、また自分の方に向かせた。


「目をそらさないで。こっち見てて。」


そっと頬から手を離した斗亜はそう言って微笑んだ。さっきから本当に心臓が爆発しそうなくらいドキドキしている。

その時、斗亜の視線が私の唇に移った。

何か考えられる間もなく彼の顔が近付いてくる。

どうしたらいいかわからず固まっていると至近距離で目があった。


「…俺、急ぎすぎかな?いなくなるからってこんなことしたらダメだよね?」


私にそう問いかけたいつもより低い斗亜の声が少し震えていた。斗亜も私と同じように緊張しているのだ。

そう思ったら急に勇気が出た。