忘れられた恋の物語

気が付いたら日がだんだん暮れてくるような時間になっていた。

両親以外とこんなに長い時間、外にいたのは初めてだ。


「そろそろ帰ろうか?」

「えっ…。」


斗亜に聞かれて私は答えられなかった。

もう少し一緒にいたい。帰りたくない。

私は勇気を出して斗亜と向かい合い、彼の両手を取った。


「もう少し一緒にいようよ。」


斗亜は私の顔をのぞき込んで心配そうな顔をした。


「もう少し?でもあんまり無理したら…。」

「ちゃんと薬も飲んでるし、大丈夫だから。…もうちょっとだけ。」


懇願するように斗亜を見上げると、少し考え込んでから彼が頷いた。


「そうだね。もう少しだけいようか。俺も柚茉ともう少し一緒にいたい。」

「…やった!」